中国語 オススメのテキスト・参考書

中国語を学ぶときに、どんなテキストを使用するかは、わりと大事です。以下、中国語のテキストについて、少し、紹介してみたいと思います。

北京語言大学出版など、中国の本屋で市販されている、講師と一緒にやるタイプが中心です。

初級者用テキスト

漢語口語速成シリーズ (入門篇) 北京語言大学出版

漢語口語促成シリーズは、その名の通り、口語(話し言葉)に特化した教材です。ただ、語法の説明もかなり詳しいので、総合的に中国語の力をつけたい方には、よい教材です。

また、入門から、基礎、提高、中級、高級とシリーズとなっているので、かなり上のレベルを目指す人にとっても、体系的に中国語が学べます。(日本語版の他、英語版、韓国語版など各国バージョンに翻訳されているので、テキストを買うときは注意。)

漢語会話301句 上下(初級向け) 北京語言大学出版

本書の名前の由来である301句の基本例文と会話文、語法、練習問題などで構成されており、中国語の能力を総合的に伸ばすことができます。

また、日本語による解説もしっかりとしており、上下冊で中国語の初級内容は、ほぼカバーしています。

こちらも日本語版の他、英語版、韓国語版など、各国バージョンがあります。また日本の書店でも、やや高めですが、日本仕様のテキストが売っています。

学説中国語(初級向け) 商務印書館

日本語による解説がなく、英語のみの説明ですが、中国語をゼロから体系的に学習できるよう構成されています。香港の商務印書館という出版社が出版しているもので、香港の系列の書店で売っています。(ただ、中国大陸側では、見かけたことがない)

英語に抵抗がない方で、中国人講師と一緒に勉強するのであれば、かなり効果的に学習できるでしょう。

中級レベル以上向けテキスト

基礎が一通り、終了して、そのあとに取り組む人向けに、テキストを、紹介してみたいと思います。

漢語口語促成シリーズ

基礎→提高→中級の順番にやれば、効率よく、中級から上級のちからをつけることができます。

基礎編  HSK4レベル

「初級を終了して、何か一冊を」という人には、とりあえず、コレをやっっておけば、いいのではないでしょうか。

各課は「旅行、グルメ、ショッピング」といった日常の身近なトピックで構成されています。また、日本語による解説もついているので、自分で復習もできます。

ただ、かなりのボリュームがあるので、練習問題とかを、まともにやっていると、途中で挫折する可能性があります。はしょるところははしょって、サクッと一通りやってしまうとか、何らかの工夫は必要でしょう。

※ このレベルと類似するもので、他に「説漢語」(北京語言大学)というのもあります。

提高編  HSK4-5レベル

基礎編の続編。こちらも、トピック別になっていて、基礎編とあわせてやれば、中レベルは、ほぼカバーできると思います。

難点は、日本語がなく、英文のみということですが、このレベルになると、中国語を中国語で学ぶという意味では、それくらいでもちょうどいいかもしれません。

中級編  HSK5-6レベル

中級というよりは、上級という感じに近いと思います。

扱うテーマが、環境保護、教育、夫婦関係など、時事的で社会性が強い内容となっています。中国語のニュースを聞いたり、HSK5級以上を目指す人は、いいと思います。

ちなみに、高級篇というのも、一応、ありますが、内容が文学的過ぎる感じがしました。よほどマニアックな人以外は、必要ないのではと思います。

时尚漢語 世界図書出版(中級)

时尚汉语(流行漢語)というタイトルにもあるように「娯楽、インターネット、ペット・・」など、今っぽいテーマが中心となっており、新しい用語も取り入れられています。

ただ、中国人の講師には、イマイチ反応が薄かったりしますので、自分の担当の中国人の講師に聞いてみるといいでしょう。

 

中国走向 北京大学出版社 (初級~中級)

初級のテキストが終わって、中国語は継続したいものの、中国語にガッツリ取り組むのではなく、とりあえず、日常で、最低限の用が足せるくらいでよいという方に、最適の一冊。

「旅行、銀行、食事、買い物」といったかなり現実に近い場面設定で、短い会話を中心に構成されており、実践的すぎるテキストといえます。
ただし、HSK高級やビジネス中国語を目指すという方には、内容が薄すぎるので、ものたりないでしょう。

実用商務漢語(中級以上/CD無し)

ビジネス中国語に特化したテキスト。

テーマは、「宣伝広告」「ビジネス交渉」「契約の締結」など、実務の場面を見据えた内容になっており、課の前半は場面別のビジネス会話、後半は関連するニュースで構成されており、非常に学びやすいです。

難点は、音源がないということです。

HSK対策用テキスト(1―6級)

通常テキストで、基礎力が、ついたあと、HSK(汉语水平考试)の受験を考える人もいるかも知れません。特に、HSK4以上になると、通常テキストの他に、試験対策用のテキストを用意しておきたいところです。

HSK試験対策(1~6級)北京語言大学出版

HSK1級から6級の各レベル、「リスニング、読解、作文」の三部構成で、模擬テスト形式10回分で構成されています。

日本語による解説はありませんので、講師と一緒にやっていくのが、オススメです。

あくまで、主観ですが、本番より、やや難しく設定してある感じがしますので、これで基準点をクリアできれば、本番は、より楽に感じられるはずです。

リスニング、読解、作文のうち、自分の弱点分野だけに特化して、集中的に訓練したい人は、日本で市販されているテキストか、あるいは、中国の書店なら、以下のようなテキストもあります。

HSK全攻略 初中等 商務印書館

HSKで問われそうな語法が、しっかりとまとまっていて、かなり使えそうな印象があります。初中等と書かれていますが、実はかなりレベルが高く、HSK5-6級を目指す人向けです。

相当な分量があるので、全部やるのではなく、自分の苦手な分野だけに特化してやり込むのがいいでしょう。

 

中国語の参考書について

メインで使用するテキストの他に、ちょっと参照したりする参考書もあれば、便利かと思います。

以下、日本の参考書から、少しだけ、ご紹介してみます。

旅の指さし会話帳〈4〉中国(中国語)

ベストセラーシリーズ「指差し会話帳」の中国語版です。

もはや、説明するまでもないシリーズですが、本来、旅先で、語学ができなくとも、これがあれば、コミュニケーションできるというコンセプトですが、非常に実践的なので、単語帳やドリル教材など学習教材としても使えそうです。

また、巻末に、よく使う単語が載っているので、かんたんな辞書代わりとしても使えます。

Why?にこたえるはじめての中国語の文法書

ご存知「相原茂」先生による参考書。これ一冊あれば、もう他の参考書は必要ないというくらい手が込んでおり、初級から上級者まで幅広い階層の学習者にとって、使いやすい内容になっています。

手許において、何か疑問が起こったときに、参照するような形で使うとよいと思います。

また、イラストも面白く、トピックなども充実しているので、読み物としてもおもしろい一冊となっています。オススメです。

広東語

広東語は、普通話(北京語)に比較すると、どうしても教材が少ないです。以下、いくつか、使ってみてよかった広東語のテキストをあげてみますので、参照ください。

CDエクスプレス広東語

千島英一先生による広東語の入門テキスト。広東語を、まずやってみようという方は、とりあえず、このテキストがいいでしょう。

本文、単語、文法、練習問題といった、NHKの語学講座のようなオーソドックスな構成で非常に取り組みやすいです。

あと、この本がなければ、同じく白水社から、ニューエクスプレス広東語(飯田真紀)というのもでていますので、そちらでもいいと思います。

香港粤語(会話、単語、文法)

本書は、一から広東語をはじめるというよりは、広東語の基礎を一通り、やった人が、もう少し、深堀りしてみたいというときに、手に取るのがいいと思います。

広東語を、日本語で体系的に説明しようとしたり、現実の新聞などの切り抜きを掲載するなど、非常に意欲的なシリーズです。ただ、筆者の趣味に走りすぎている部分もあるので、中には合わない人もいるかもしれません。

今日粤语

広東語というのは「白語(話し言葉)」とも呼ばれ、中国人にとっては、わざわざ学ばなくとも、ちょっと耳がなれてくると、聞き取れるようになるものらしいです。

なので、ローカルの広東語テキストというのは、教材らしい教材がありません。ただし、この「今日粤语」は、ローカルの広東語教材の中では、唯一、しっかりした内容に仕上がっています。

上冊は日常生活全般の会話、下冊は広東省関連のトピックの読解と言う風に分かれています。下冊は、現在、廃版ですが入手は可能です。(上冊は北京語言大学から、下冊は暨南大学からの出版)

ある程度、普通話の素養のある人で、会話をそこそこできるようになるというレベルであれば、上冊だけで十分だと思います。下冊は広東省、特に広州地方の文化を知るには、面白いですが、マニアック過ぎて、やっている人は、ほとんどいませんでした。

辞書・電子辞書

EX-WORD カシオ

なにか、中国語の電子辞書をと思ったとき、とりあえず、カシオの「EX-WORD」が、よいのではないでしょうか。

個人的に、10年間、お世話になりましたが、非常に安定感があり、使いやすかったです。

必要な辞書はすべて網羅していますし、ピンイン入力の他、「手書き入力」「音声入力」など、様々な入力機能もあります。

超級クラウン中日辞典


電子辞書もいいですが、紙の辞書も一冊あると便利かもしれません。

本書は、非常に見やすく使いやすい辞書です。中国にも、全く同じ辞書が市販されています(値段は5分の1以下)。ただし日本で売られているものい比べると、装丁はよくありません。