深セン 概要
深圳は、非常に大きな街で、東西に大きく広がっており、場所によって全く違った表情を持っています。
街の中心は、いくつかあり、深セン初期から開けた「羅湖」、市の中心に位置する「福田」、さらには、テック系企業などの進出でホットな「南山」といったスポットに分かれます。
以下、深圳市内の代表的なエリアについて、紹介してみたいと思います。
羅湖区
羅湖・国貿 ~香港へのゲートウェイ
鄧小平による経済開放政策により、深センが経済特区としてスタートして以来、深センで最も早くから開けた場所です。
羅湖(ローフ)にあるイミグレは、現在も、中国大陸と香港を結ぶ、大動脈となっています。
日系企業も、早くからこの地に拠点を構え、周辺には日系ホテル、日本料理店、日式カラオケ店なども集中しています。
他の地区の隆盛によって、以前ほど日本人集客力はなくなりましたが、香港へのゲートウェイとして依然として健在です。
また、羅湖イミグレの隣りにある「羅湖商業城」は、いわゆるニセモノ市場で、ブランドの類似品が、格安で売られています。
東門 ~深圳の渋谷、原宿
「東門(どんめん)」は、「老街」という名前でも呼ばれる通り、深圳でも、最も早くから開けた繁華街です。
衣料、靴、ジャンクフードといった、いかにも若者が好きそうなアイテムを中心に、商店がひしめき、さながら渋谷・原宿?といった活況を呈しています。あまり人ごみが好きでない人には、お勧めではないかもしれません。
かつては、偽DVDやCDなどの店が多かったですが、最近は、動画サイトがあるので、めっきり少なくなりました。
大劇院 ~劇場と書店
地下鉄「大劇院」駅を中心とする界隈は、大劇院(大シアター)、書城(大書店)、に加え、地王ビル(384M)や、京基金融中心(439M)といったランドマークが林立するビジネス街で、日系企業も多く入居しています。
また、現在移転しましたが、以前は、中国二大証券取引所のひとつ、深圳証券取引所も、ここにありました。
大劇院隣りにある、ライチ公園の正面には、鄧小平氏の大きな写真が飾られており、この街における鄧小平氏の存在感の大きさをうかがわせています。
福田区
華強北 ~中国の秋葉原
華強北(ほわちゃんべい)は、別名、「中国の秋葉原」とも呼ばれ、スマホ(智能手机)やコンピュータ(電脳)の卸売りセンターのような地区です。
ここに来れば、スマホやコンピュータに関する部品は、一通り、何でもそろうので、ガジェット好きには、たまらない魅力のある街です。
近年、地下鉄網の発展とともに、地下にショッピングモールもでき、単なる、電脳街というにとどまらない街に変貌しつつあります。
福田中心区 ~深センの心臓部
福田中心区は、文字通り、深センの心臓部といってもいい場所です。
巨大な市政府庁舎を中心に、西には、中国証券取引所のひとつ、深圳証券取引所、南には、年中、様々な催しが行われる国際展示場「会展中心」があります。
市役所を中心に、左右対称に、高層ビルが林立するさまは、躍動する深センを象徴するかのようです。
また、地下には、巨大な地下街があり、地下鉄が五本連絡、さらには「広深港高速鉄道」の福田駅から、香港へ14分でアクセスが可能です。
また金曜日、土曜日(19:00~と20:00~)は、高層ビル群をスクリーンに見立てた「灯光秀」(写真)が行われており、そのスケールには唖然とさせられます。
南山区
后海・海岸城 ~中国のシリコンバレー
「后海(ほうはい)」地区は、2007年、香港との間に、深圳湾口岸が開通して以来、近年、急速に発展してきた地域です。
海港城のショッピングモールをはじめ、娯楽、文化施設も多く、近年、この地区に、オフィスを移す日系企業も多いです。(日本のイオンは撤退したようですが。)
あと、近年、北側に「ソフトウェア産業基地」が誕生。百度、アリババ、テンセントのいわゆるテック系企業が進出して、IT情報集積地として機能し始めています。
また、西側に新しくできた「深セン人材公園」は、都市型公園として、市民の憩いの広場となっています。
中国のシリコンバレーというの名のもと、深センで、今、最もアツい地域といっても過言ではありません。
蛇口 ~異国情緒漂う街
深圳もここまで来ると、深セン市内の喧騒が嘘のように、ひっそりと静かなたたずまいを見せます。
南山区は全般に緑が多い地域ですが、中でもとりわけこの蛇口地区は、その最たるものと言えるでしょう。
元来、蛇口はインターナショナルスクールなどが集中する欧米人が多い場所です。特に、海上世界の周辺は、オープンテラスのカフェやパブ、各国料理店も多く、異国情緒が漂ってます。
また蛇口フェリーターミナルは、香港、マカオ、珠海他へ向かうフェリーの起点となっており、アクセスのよさから、古くから日系企業、日本人が多い地域です。日本人学校も、この地区にあります。