深圳から香港へ移動するときは、イミグレ(口岸/kouan)を、通過しなければなりません。その際、パスポート(护照/huzhao)が必要となります。
ここでは、日本人もよく使うイミグレ「羅湖」「皇崗」「福田」「深セン湾」「蛇口」について、ご紹介します。
羅湖口岸 【深セン⇒香港】
羅湖イミグレ(羅湖口岸/luohu kouan)は、中国でも最も通行量が多いイミグレの1つです。
中国側と香港側が比較的近く、出入境審査の際、外国人専用レーンもあるので、外国人には利用しやすいです。
ただ、開放時間が6:30~24:00ですので、早朝出発、深夜到着の場合は注意が必要です。
以下、深センから香港へ行く場合の手順について記してみます。
中国出境
先ずは、中国側から出る手続きです。羅湖イミグレの2階ホールへ行きます。
1 出入境カードに記入
外国人用レーン(foreigner)の近くにある、備え付けの出入境カード(以下)の左半分に必要事項を記入してください。
2 外国人専用レーンで審査を受ける
外国人専用のレーンに並び、順番が来たら、係員にパスポートとカードを提出します。OKであれば、パスポートにスタンプを押して返してくれます。
※ ちなみに、自動ゲート「e道」(三階)も利用できますが、大陸人と一緒だし、パスポートが感知しないことも多く、最初から有人窓口を利用したほうが早いです。
3 通路を通って、香港側に移動
税関(海関)で、特に申請すべきものがなければ、そのまま進んでください。前方に通路(写真)があるので、そのまま、まっすぐ歩いていきます。
100メートルほど通路をまっすぐ歩くと、左手の香港人以外の通路に進むと、香港側の入境ホールに到着です。
香港入境
1 香港入境カードに必要事項を記入
香港側の入境ホール到着後、ホールの台においてある香港入境カード(右)に必要事項を記入します。
二枚重ねになっているので、あとで、香港を出る時にも使えるしくみになっています。
2 入境審査
外国人専用入境レーンに並んで、入境審査を受けます。(係員が誘導してくれます)
ちなみに、香港デモの影響からか、審査官から、名前を尋ねられたりすることもあるようです。(普通に英語でローマ字読みすればOK)以前はこういうことがなかったので、本人確認のチェックが厳しくなっていると感じます。
3 MTR羅湖駅、到着
税関(海関)を通過すると、もうそこは香港領土です。
通路沿いを歩いていくと、香港地下鉄MTR羅湖駅が接続しており、MTR東線で、紅磡(ホンハム)まで約45分で到着できます。(運賃は40香港ドル程度)
駅構内には、コンビニや両替店があり、ここで人民元から香港ドルへの両替も可能です。
写真:MTR羅湖駅にて
所要時間は?
イミグレを通過するのに、どのくらい時間がかかるか?は、状況によりけりですが、大体、15~40分くらいでしょうか。
一番、空いているのは平日の午後で、逆に一番、込んでいるのが、土日や平日の夕方になります。あと、春節や国慶節などの大型連休中にイミグレを通過する場合は、かなり混んでいるので、気をつけたほうがいいでしょう。
羅湖口岸 【香港⇒深セン】
逆に、香港から深センに入境する場合について、説明してみます。
香港出境
MTRで「羅湖」駅に到着して、他の乗客と一緒に、前方にある改札を抜けたら、「来訪者」の標識に沿って、どんどん右に進んでください。
100メートルほど道なりに進み、一番右「smart departure」という、認証システムから出境してください。ゲートは、2段階認証になっています。
- 手前ゲート脇のガラスに、パスポートを押し当てる
- 手前のゲートの認証がOKならゲートが開くので、中に進む
- 奥のゲートで、センサーの前に立つ(顔認証)
- 奥のゲートが開く
中国入境
深センに入境するときは、パスポートの他、指紋認証が必要です。
はじめて入境する場合(指紋登録がまだの人)
まず、「入境外国人指紋自助留存区」という場所で、自分の両手10本の指紋を登録してください。
指紋登録が済んでい人
外国人の入境窓口(指紋巳留存)で、以下の順番で、指紋認証をしてください。
ちなみに、音声ガイダンスに従ってやればいいので、心配はないと思います。(音声は日本語です)
1 職員にパスポートを渡す。
2 左手の四本の指をガラスに当てる。(OKが出るまで、指を離さないこと)
3 右手の四本の指をガラスに当てる。(省略されることもある)
4 両手の親指をガラスに当てる。 (省略されることもある)
5 顔をカメラに向ける
6 職員からパスポートを受け取る
指紋認証は、左手だけのことも多いです。
羅湖口岸へのアクセス
地下鉄1号線「羅湖」駅。
皇崗口岸
このイミグレの特徴は、皇崗(huanggang/中国側)と落馬洲(luomazhou/香港側)で出入境地点が、かなり離れており、途中、バスで移動しなければならないということです。従って、難易度がやや高いです。
良い点は、24時間開いているので、早朝、深夜の移動にも対応できること、バス(跨境巴士)での移動なので、ゆったりと座って、ダイレクトに移動できることです。
皇崗口岸の出入境手順 (深セン→香港)
深セン皇崗から、香港側へバスで移動する場合、以下の順番で
1 中国出境(深セン・皇崗)
はじめに、羅湖同様に、中国出入境カードに必要事項を記入し、外国人専用レーンの出境ゲート(向かって右)で、出境審査を受けます。
2 バスのチケットの購入
ゲートを出ると、左手に香港各地に向かうバスチケット売り場があるので、チケット(写真)を購入します。
主な行き先は、旺角、湾仔等です。料金は、旺角41香港ドル、湾仔52香港ドル等(2018年現在)です。
3 バスに乗る 皇岡(深セン)→ 落馬洲(香港)
バスは行き先別に並んでいるので、バスに乗車して、まず香港入境側(落馬洲)へ移動します。(ここで、チケットの半券を切られる)
乗車時間は3-5分程度。
4 香港入境(落馬洲)
落馬州に到着したら、バスから降りて、向かって右側の「訪港旅客」(香港人以外)の通路を進みます。
香港入境ホールで、入境カードに必要事項を記入したあと、入境審査を受けます。(外国人専用レーンは無いので、大陸人と一緒に並ばなければなりません。)
5 再び、バスに乗る 落馬洲イミグレ → 香港各地へ
審査が済んだら、税関(海関)を通過して、まっすぐ進みます。すると、前方に、香港行きのバスが行き先別に並んでいるので、あとは、バスにのるだけ。(ここで残りの半券が切られる)香港の中心までは、約30~40分。
注意点;ちなみに最初に乗るバス(皇岡→落馬洲)と、二回目に乗るバス(落馬洲→香港市内各地)は、同一ではないので、一回目のバスを降りるときは、手持ちの荷物は、すべて、携帯して降りてください。
皇崗口岸へのアクセス
地下鉄7号線「皇崗口岸」駅下車すぐ。
福田口岸
「福田口岸」は、文字通り、地下鉄「福田口岸」駅すぐのところにあります。
間取りが広く、出入境地点が近接しているので、わかりやすく、移動がスムーズです。(タイプ的には「羅湖口岸」と同じ)
開放時間:6;30-22;30と、意外と早く閉まってしまうので、注意したいところです。
以下、出入境について、ご紹介します。
出入境の順番(深セン⇒香港)
出入橋の順番は、以下のような感じです。(詳細については、「羅湖口岸」を参照ください。)
1 深センをでる(中国出境)
2 通路を渡る
3 香港に入る(香港入境)
また香港入境を済ませると、香港MTR「落馬洲」駅に直結しており、連絡もスムーズで、ほとんど迷うことがありません。
MTR落馬洲駅からの、香港新界の眺め。
福田口岸へのアクセス
地下鉄4号線「福田口岸」駅駅、直結。
(注意)ちなみに、目と鼻の先に「皇崗口岸」がありますが、二つのイミグレのアクセスは意外と悪いので注意が必要です。
深圳湾口岸
南山区深セン湾にあるイミグレです。(開放時間6;30-24;00)
この出入境地点の特徴は、香港側の出入境地点が中国側にある、いわゆる「一地両検」システムを採用していることです。
中国側と香港側の出入境地点が、ともに中国大陸側にある為、皇崗口岸のようにバスを乗り換える面倒がなくなりました。
また、この出入境地点の開通によって、深圳南山区と香港の距離が短縮されたことが、南山区の発展に寄与していることは言うまでもありません。
出入境手順
詳細については、「羅湖口岸」を参照ください。
深圳湾口岸へのアクセス
地下鉄2号線「海月」駅または「登良」駅から徒歩10分程度。(地下鉄からのアクセスが、やや悪いですね。)
蛇口フェリーターミナル(蛇口码头)
深センの西端には、「蛇口フェリーターミナル(蛇口码头/shekou matou)」があり、ここから香港、マカオをはじめとする各地に就航しています。(開放時間:7;15-22;45)
特に、香港国際空港からのアクセスはよく、30分ほどで結んでいます。
出入境の手順(深セン⇒香港)
以下のような順番で、出入境します。
- 蛇口で中国出境手続き
- フェリーに乗船
- 香港に到着
- 香港入境
蛇口フェリーターミナルへのアクセス
地下鉄2号線「蛇口港」駅下車、徒歩10分程度です。